ひとえに親鸞聖人のご恩
(親鸞聖人御生誕800年祝賀大会)
真宗の寺院に生まれながら、仏敵法敵の限りをつくした私が、如来の慈光に照育せられ、高森苦悩我苦悩の大慈に驚き、顕徹安楽我安楽の大悲にあきれ、懺悔と歓喜に救いとられた喜びは、これひとえに聖人様のご恩の賜物でございます。
青年男女は仏教より離反し、日々浄土真宗が衰退してゆくのは放惰な私の責任だと自覚し、浄土真宗親鸞会を創立し、真実の仏法の旗揚げを致しましたのは、今を去る15年前、昭和33年9月のことでありました。
とぼしき私たちの叫びではありましたが、今や真実の友は北は北海道より、南は九州、四国にいたるまで、法輪を転じて余念がありません。
これ全く阿弥陀如来の本願力の賜物であることはもちろんでありますが、800年の昔に聖人様がご誕生くだされ、肉食妻帯の悪魔の坊主とののしられながらも、師匠に背いた恩知らずと攻撃されながらも、身は流罪にあいながら、弁円の剣の下をくぐりぬけながら、これなお師教の恩致なりとほほえみつつ、ただ仏恩の深きことを念じて、人倫の哢言を恥じず、毅然として如来の法雨をそそいでくだされた賜物と、感泣せずにはおれません。