全人類の盲点を突く

佐賀県

 人はだれでも、自分の行動の目的が分からねば行動を執ることはできず、「なぜそれをやるのか?」という理由や意味を確認してから、事に当たっているはずです。

 しかし、すべての人は、生きる「手段」に全生命を投入してしまっているのが実態です。「目的」を知らねば動きだせないはずの人間が、なぜそんな悲劇を演じねばならないのか。

「それは、本当の人生の目的を知らないからです」とズバリ一言でおっしゃり、真の人生の目的を明らかにしていただきました。

 まさに迷いの命取り、全人類の盲点を突く一撃と感動せずにはおれませんでした。

 棒を1本差し出されて、その長短を判断せよと言われても、比較するものがない限りは、何とも答えようがありません。

 本当の人生の目的をだれも示せない、だれも知らないために、生きる手段が手段と分からず、その手段を目的と勘違いして動きだしている、そして完成も満足もなく苦しんでいる全人類の実態が解き明かされたご説法でした。

弥陀弘誓の船のみが

東京都

 趣味や生きがいに一時の幸福を見いだしても、「これで終わった」ということはなく、「人生は食て寝て起きて糞たれて、子は親となる、子は親となる」。こんな人生一体何だったのかと後悔する一生を過ごすのは、紛れもない私の姿、全人類の姿と思わずにおれませんでした。

 その中で、「弥陀の本願まことだった」と高らかに宣言される親鸞聖人のお言葉が、鮮明に響いてきます。

 弥陀弘誓の船に乗れば、衆禍の波は転じる。不思議不思議の世界に生かされる聖人のお言葉の、何と頼もしいことでしょうか。

金で身を滅ぼすは目的知らぬ悲劇

京都府

 世の人が求めているものは、一言でいえば「お金」であり、皆、「お金」のために生きています。

 裁判で争う事柄も、大概お金の争いであり、離婚でさえ、財産分与や養育費、慰謝料として、最終的にはお金に換算されて争われ、決着します。

 お金に使われ、お金のために人生を狂わせるのは、お金は使うためにあり、何のためにお金を使って生きるのかを知らない帰結であることが、よく分かりました。

 それにしても、お金で身を崩すのは、事務次官から老舗料亭、菓子企業など枚挙にいとまがありません。泳ぐべき方角を知らず、生きがいを人生の目的と間違え、ただひたすら、めちゃくちゃに生きている人ばかりであると知らされます。

方角こそ最大事

東京都

 生まれた時に、太平洋のド真ん中にほうり出されたような私たちは、泳がねばしかたがないけれど、その時に最も大事なことは、「どこに向かって泳ぐか」の“方角”です。その方角が定まってから“泳ぎ方”が重要になってくる。泳げばさえよい、というのではありません。

 私たちが人生の目的だと考えている、政治や経済、医学や芸術、家族や金、地位、名誉などはすべて趣味生きがいであり、泳ぎ方である。それを、人生の目的のように思っているのは、私たちに相対の知恵しかないからだとお聞きしました。

 弥陀弘誓の船に乗せられた時に、その違いがハッキリすると教えていただきました。

 大悲の願船に乗り、光明の広海に浮かぶところまで、光に向かって進ませていただきたいと思います。

仏教の骨格

富山県

 本願成就文の教学講義で、仏教の骨格を知ることがいかに大事か強く知らされました。今までは、断片的な知識が点在していました。だから、本来ならば、弥陀の本願一つを説かれた釈尊、親鸞聖人、蓮如上人がおっしゃることは皆、一直線上につながるはずですが、頭の中でなかなか結びつかず、バラバラだったのです。最近ようやく、全体と、それを構成している部分が見えるようになった気がします。

 聖人のお言葉に触れ、その意味を知るにつれ、感動とともに、人に伝えたいという気持ちと、教えに対する自信が強くなりました。

 教えを知れば知るほど、なるほど、親鸞聖人を世界の光と呼ばずして、だれを呼ぶのかと知らされます。

 この実感、感動は、教えの理解の深さと比例するのではないかと思います。

人生の決勝点

石川県

 宝石のようなお言葉を数え切れぬほど頂き、その感動をどう表せばよいか迷います。

 本願成就文の「聞」について、親鸞聖人は『教行信証』に「『聞』と言うは、衆生、仏願の生起・本末を聞きて疑心有ること無し。これを『聞』と曰うなり」と仰せです。

 疑いの心が金輪際なくなるまで聞き抜けよと、人生の決勝点、信仰の卒業をハッキリ明示されているお言葉だと教えていただき、驚かずにおれませんでした。

 そして、阿弥陀仏はなぜ、だれのために本願を建てられたのか、「一切の群生海、無始より已来、乃至今日・今時に至るまで、穢悪汚染にして清浄の心無く、虚仮諂偽にして真実の心無し」のお言葉から、詳しく聞かせていただきました。

 生まれた時に大海にほうり出されたような私たち、空と水しか見えない海で一生懸命泳ぎながらも、ほとんどの人は難度海に沈んでいく中、「あそこがゴールだ!」と、ハッキリ教えてくださる真実の教えにあえた私は、本当に幸せだと思わずにおれません。

高森顕徹 公式サイト
更新履歴

2015.01.08あわれむ心のないものは恵まれない~試された親切心(光に向かって)

2014.01.22すぐ100万円を持っていったのは、なぜか~恩知らずになりたくない(光に向かって)

2014.01.22殺して生かす ~相手を裏切り、ののしられ、迫害も覚悟しなければならぬこともある(光に向かって)

2013.11.25甚五郎のネズミはうまかった~技量と智恵(光に向かって)

2013.11.25だから青年白石は三千両を拒否した~信念は未来を開拓する(光に向かって)

2013.09.30世界一おいしいご馳走ができあがりました、と料理人は言った(光に向かって)

2013.09.30最初から負けていた~勝利のカギ(光に向かって)

2013.08.24大石内蔵助の13年間~先見と熟慮(光に向かって)

2013.08.24生活の乱れた学生の更生法~大学教授のたくみな指導(光に向かって)

2013.07.25下等の人間は舌を愛し、中等の人間は身を愛し、上等の人間は心を愛する(光に向かって)

2013.07.25牛糞を食わされた祈祷師(光に向かって)

2013.06.07笛を高く買いすぎてはいけない(光に向かって)

2012.10.04おまえはなぜ、3階を建てんのだ 本末を知らぬ愚人(光に向かって)

2012.10.04やめよ!やめよ!と突然、早雲は叫んだ なりきる尊さ(光に向かって)

2012.09.06まもなく、若い社員の一人が解雇された 排他は自滅(光に向かって)

2012.09.06猫よりも恩知らずは、だれだ 腹立てぬ秘訣(光に向かって)

2012.08.06人を身なりで判断はできない 一休と門番(光に向かって)

2012.08.06富んでも、昔の貧しさを忘れ、おごるなかれ 岩崎弥太郎とその母(光に向かって)

2012.05.30この娘を美しくないという者があれば、金子千両を出してやろう(光に向かって)

2012.05.30施した恩は思ってはならぬ。受けた恩は忘れてはならない(光に向かって)

2012.04.10己を変えれば、夫も妻も子供もみな変わる(光に向かって)

2012.04.10これへ、その下肥とやらをかけてまいれ、とバカ殿 偶像崇拝(光に向かって)

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