煩悩あるがままで

大阪府

 どれだけ政治が変わり、文明が進歩して経済や科学が発展しても、煩悩は少しも変わらないから、人間は幸福になれないとお聞きしました。

 思いどおりになれば欲のために、思いどおりにならなければ怒りや愚痴で苦しんでいます。自分の言動を省みても、ニュースを見ても、本当にそのとおりだと痛感します。

 そんな煩悩具足の凡夫が、どうすれば本当の幸福になれるのかの問いに、聖人は「不断煩悩得涅槃」、煩悩あるがままで絶対の幸福になれると、全人類の救われる道を明らかにしてくださいました。

 この1行でおっしゃっている境地がいかにすごいことか、ひしひしと知らされてきます。

 また、聖人42歳の御時、飢饉で苦しむ人々を読経の功徳で助けようとされたとお聞きし、正直驚きました。しかしそれは、救われたあとも煩悩はなくならず、煩悩によって惑わされてしまうのだと知らされました。
 だからこそ教えが大事とお聞きしました。正しく深く学んでいきたいと思います。

自分を変えるとは

台湾

 煩悩あるがままの救いとは、私が想像するものと全く異なると知らされました。
 朝から晩まで名誉欲・利益欲に振り回され、欲望を満たす喜びにしか体を動かそうとしていません。そんな自分が嫌で、「自分を変える」という文句や歌詞に共感する人も多くいます。

 その自分とは煩悩以外になく、「自分を変える」とは煩悩を何とかするということです。そうしなければ絶対幸せにはなれないという思いがガンとしてあります。今まで何をしてきたか考えてみると、煩悩を何とかしようとする努力以外になかったと思います。

 しかし、その煩悩あるままで「大宇宙一の幸せ者!!」と絶叫せずにおれない喜びの身に救ってくださるのが弥陀の誓願です。まさに超世の悲願と思わずにおれません。
「親鸞、阿弥陀仏に救われたぞ!」という『正信偈』の冒頭は、オリンピックの金メダル獲得、1億円の宝くじ当選とは比べものにならない歓喜の叫びであったに違いありません。

満たすか、抑える

千葉県

 人は皆「煩悩具足」とお聞きして、自分の心を見つめてみると、今したことも煩悩、言ったことも煩悩、そのように見つめているのも煩悩で、煩悩以外に何もないのが私と知らされます。

 また、本屋には様々な本が並んでいますが、突き詰めると、煩悩に関するものばかりです。
 例えば、自己啓発のコーナーには、「怒りの心を抑えて感謝しよう」という内容の本が多くあります。ビジネス書を見れば、「投資の成功術」が目につき、若い女性向けのコーナーには、「好きな異性と親しくなる方法」が山積みされています。
 煩悩を満たすか、抑えるか。人間の営みのすべては、この2つに集約されていると知らされ、自分の周囲を見れば見るほど、親鸞聖人のみ教えどおりであることに驚きます。

高森顕徹 公式サイト
更新履歴

2015.01.08あわれむ心のないものは恵まれない~試された親切心(光に向かって)

2014.01.22すぐ100万円を持っていったのは、なぜか~恩知らずになりたくない(光に向かって)

2014.01.22殺して生かす ~相手を裏切り、ののしられ、迫害も覚悟しなければならぬこともある(光に向かって)

2013.11.25甚五郎のネズミはうまかった~技量と智恵(光に向かって)

2013.11.25だから青年白石は三千両を拒否した~信念は未来を開拓する(光に向かって)

2013.09.30世界一おいしいご馳走ができあがりました、と料理人は言った(光に向かって)

2013.09.30最初から負けていた~勝利のカギ(光に向かって)

2013.08.24大石内蔵助の13年間~先見と熟慮(光に向かって)

2013.08.24生活の乱れた学生の更生法~大学教授のたくみな指導(光に向かって)

2013.07.25下等の人間は舌を愛し、中等の人間は身を愛し、上等の人間は心を愛する(光に向かって)

2013.07.25牛糞を食わされた祈祷師(光に向かって)

2013.06.07笛を高く買いすぎてはいけない(光に向かって)

2012.10.04おまえはなぜ、3階を建てんのだ 本末を知らぬ愚人(光に向かって)

2012.10.04やめよ!やめよ!と突然、早雲は叫んだ なりきる尊さ(光に向かって)

2012.09.06まもなく、若い社員の一人が解雇された 排他は自滅(光に向かって)

2012.09.06猫よりも恩知らずは、だれだ 腹立てぬ秘訣(光に向かって)

2012.08.06人を身なりで判断はできない 一休と門番(光に向かって)

2012.08.06富んでも、昔の貧しさを忘れ、おごるなかれ 岩崎弥太郎とその母(光に向かって)

2012.05.30この娘を美しくないという者があれば、金子千両を出してやろう(光に向かって)

2012.05.30施した恩は思ってはならぬ。受けた恩は忘れてはならない(光に向かって)

2012.04.10己を変えれば、夫も妻も子供もみな変わる(光に向かって)

2012.04.10これへ、その下肥とやらをかけてまいれ、とバカ殿 偶像崇拝(光に向かって)

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